機械加工初心者の「これ何?」#124【SKS3 ズブ焼入れと真空焼入れの違い】

SKS3のズブ焼入れと真空焼入れを比較する体験が出来ましたので紹介します。ズブ焼入れ=黒色になる、真空焼入れ=素材のまま。
この体験は偶然に生まれました、図面に真空焼入れの指示が無いのに真空焼入れで納品されました。

図面内には焼入れ焼き戻しHRC50以上と記載。材質はSKS3。
真空焼入れとは記載していませんが、ズブ焼入れとも記載は有りません。

まずは「ズブ焼入れ品」と「真空焼入れ品」の違いをご覧ください。
写真:

黒色がズブ焼入れ・SKS3(鉄色)が 真空焼入れ

違いの説明:

  • ズブ焼入れは焼入れ時に空気中の酸素と結合(酸化被膜)して黒くなります。
  • 真空焼入れは文字通り真空状態の炉で焼入れするので酸素と結合せずに素材そのものの色になります。

    今回の用途は「ある工具用の刃」になるので見た目は影響ありません。
    逆に黒い方が刃が欠けた時に分かり易いと個人的には思っています。

    私の経験ではベリリウム銅バネを真空焼入れをした事が有ります。
    それは外観を気にする部品でしたので真空焼入れをしました。

    参考:
    我々が使用している熱処理屋さんにコストの違いを聞いてみました。
    ズブ焼入れに対して真空焼入れは価格がアップすると思いましたが、
    重量で価格は変わるそうで、トクヨシの様な小ロット専門メーカですと
    価格は変わらない事が分かりました。

    TED

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